他人のため?自分のため?どちらが幸福感を感じやすいのか

私は「他人のため」を優先して生きるよりも、「自分のため」を優先して生きることを大切にしています。どちらが正しいのか、間違っているのかではなく、自分自身がしっかり自分と向き合い、理解し、そのことを受け入れているかだと思います。人間には良いところもそうじゃないところも、それぞれの個性があるかと思います。得意なことや不得意なこともそれぞれです。私の経験から、「自分のため」を優先することは結局「他人のため」になっているのではないのか、と思ったことをお話していきます。

自分の心や身体の状態に気づいていないとき

11年エステ・リラクゼーションサロンを運営している私は、まだ駆け出しの頃、一生懸命仕事ばかりしている時期がありました。「一生懸命」っていいのか?悪いのか?…ふと我に返り、とても疲れていることに気がついた時がありました。
仕事をいっぱいに詰めて、頑張っている自分が「かっこいい事」「すごい事」だと思い込んでいました。身体がボロボロで疲れていても、勉強をたくさんして、仕事をすることの繰り返し。
「なんで自分の為にこんなに頑張ってるんやろう…」と分からなくなりました。
そうなってしまうと、目に見えない穴は深くなり、普段の自分に戻るまで時間とエネルギーがかかってしまいます。最悪の場合は、鬱病や精神疾患という診断が下されることもあります。

足りない物を探す

「人を癒したい」「疲れをとってあげたい」そう思う気持ちがありながらも、なぜか自分自身が疲れてしまう。そういう時期は、仕事を楽しめていなかったと思います。なぜ楽しめていなかったのか、ヨガを深く学ぶことで気づくことがたくさんありました。
足りないものを探して追いかけては、もっともっとと欲が湧いてきます。手に入れても、それに対して執着心も湧きます。手に入れた瞬間は幸福感を感じますが、その幸福感は長続きしません。
人と比べては、劣等感や優越感を感じることの繰り返しで、自分を責めては落ち込み、人を羨ましく思う感情でいっぱいになります。自分の足りなさを埋めるために、間違った方向に進んでしまうことで生きづらさのループに陥ります。

あるものに目を向ける

ヨガ八支則の中の、サントーシャ【知足(ちそく)】とは、足(た)るを知るということ。今あるもに目を向けて、満足して感謝する。
環境や今置かれている状況、人間関係や自分の能力、健康などの物質的なものすべてに目を向けます。
あるがままの姿は、もうすでに完璧です。
どんなに苦しく思える状況でさえも、成長のためのステップアップの機会で、そこに何かしらの判断を加えなくても良い。
人は誰しも、身の回りの物事は当たり前だと勘違いし、感謝を忘れてしまいやすい生き物です。失ってからようやく、かけがえのないものだったことに気が付きます。
今健康で生きられていること、そばにいてくれている人や愛する人の存在、目の前にある全ての物、今呼吸ができていること、自然や生き物、空気の存在でさえもありがたい存在なのです。
今あるものに感謝し満足することが、真の幸福への近道になります。

したいこと、好きなこと、得意なことをする

自分のことがわかっていないと、したいことや好きなこと、得意なことは見つかりにくいですよね。私自身もそうでした。「しないといけない」と思うのか、苦がなく楽しくやっているのかで幸福感は全く違ってきます。
まずは「したくないこと」を減らすことをしました。もちろん人間ですので、自分の課題となる「しなくてはいけないこと」もあります。ですが、その行動をどう行うかで気持ちは変化します。未来につながることを、コツコツ繰り返すことは大切です。自分自身を理解し、今どう思っているのか、感じているのかに目を向けて、自分の感情に気づいてあげる。そうやって、日々の瞬間の感情に気づけるようになったのも、マインドフルネス瞑想やヨガの実践のおかげだと感じています。

他人のために

自分のことを疎かにして、「他人のために」と思うのではなく、まずは自分自身の好きなこと、得意なことは何なのか、自分はどんな時に嬉しい気持ちになるのかを知り、その好きなことを行うことで、幸福感が高まり心が穏やかになり、心にも余裕が生まれます。
余裕があると、自然と「誰かのために」と行動できるようになります。
人は、他人が喜んでくれることをすると、幸福感を感じやすく、幸福感も長続きするそうです。その自分の行動を認めてあげる事で、自己肯定感も高まります。

自分にとって得意ではないことは、逆にそれを得意とする人がいたりします。
それを委ねることで、ひとりの力ではできなかったことが形となったり、支え合い、高め合っていける。結局はそれらが「他人のため」と繋がっていくのだと感じました。
「他人のため」だけ思うことは、長続きはしないし見返りすら求めてしまいます。

自分のため」にする行動は「他人のため」になっていて、それが幸福感へと繋がっていきます。

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