ブッダの教えと怪我しないヨガ⑤~小さな種が大樹になる~

Yogaって、体が硬かったり、筋力や忍耐力が足りなくて続かない方も少なくありません。

私がビギナーの生徒さんに「ヨガのアーサナ(ポーズ)が気持ちいいと感じるまでには、2年くらいかかりますよ~」と言うと「え~、そんなに!?」「ヨガってもっと簡単ですぐ出来るのかと思ってた」なんて言葉が返ってきたりします。

そんな方には「コツコツと続けていたら、ある日突然ふわ~っと軽くなって、なにこれ気持ちいいってなる日が必ず来ますよ。それがものすごく楽しくなってくるんです。」とお話します。要は、インナーマッスルが出来てきたらアーサナ(ポーズ)が深まってくるというわけです。インナーマッスルがある程度の力を発揮出来るようになるまでに、個人差はありますが、だいたい2年くらいかかるのです。

私たちは、上手くいかない時「も~なんか全然あかんやん、こんなに頑張っても疲れるだけやん」とあきらめて投げ出したくなることありますよね?もちろん私もあります。

でも、そこであきらめてしまうか、あきらめないで少しずつでも努力をしていくかで人生は大きく変わっていくと思います。

ゴマ粒ほどのタネが、大地にまかれてやがて大樹になるように、「こんなことぐらい」と思うタネまきが、大きな結果として実ることがあるのです。

お釈迦様(ブッダ)のお話でこんなお話があります。

小さなタネがあの大樹になるのです

ある日、お釈迦様がお弟子を連れて、托鉢(たくはつ)のため、村を訪れていた時のことです。

托鉢とは乞食(こつじき)とも言いますが僧侶が教えを説きながら、鉢を持って人々から着るものや食べ物などの施しを受けることです。

お釈迦様とお弟子たちは、托鉢によって人々から施しを受け、各地で教えを説いていました。

その村の貧しい農家の女性が、昼食のために用意した「麦こがし」をお釈迦様に差し上げたいと思いました。「麦こがし」とは、大麦を煎ってこがして粉にしたものです。

女性が鉢に麦こがしを差し上げたとき、お釈迦様は弟子のアーナンダに

「この女性は、今の功徳によって、やがて悟りをひらくでしょう」

と言われました。

すると、そばにいたその女性の夫が、それを聞いて腹を立てて食ってかかりました。

「取るに足らぬ布施で、どうしてそんな結果が得られるというのか。そんな出まかせを言って、おれの妻に麦こがしを出させようとするな。」

するとお釈迦様は、静かにその夫に言われました。

「そなたは世の中で、これは珍しいというものを見たことがありますか?」

男は、珍しいものと聞かれたので、村に生えている多根樹(たこんじゅ)という大きな木を思い出しました。

「あの多根樹ほど不思議なものはない。一つの根元に、500両の馬車をつないでも、まだ余裕があるからな」

するとお釈迦様は問われます。

「それほど大きなだから、その木のタネはきっと、ひきうすぐらいの大きさはあるのだろうね。それとも飼い葉桶ぐらいかねぐらいかな」

「タネは、そんなに大きいものではない。ケシ粒のほんの4分の1ぐらいだ」

「それほど小さなタネから、あれほど大きな木になるなんて、誰一人信じないだろうね」

この言葉に、男は大声で反論しました。

「誰一人信じなくたって、おれは信じている」

するとお釈迦様は穏やかにうなずかれ、

「そうでしょう。

ケシの実より小さいタネが大樹になるように『これぐらいのこと』と思う小さな善根でも、縁に助けられ、大きな結果として開くこともあるのですよ」

このお釈迦様の当意即妙の説法に、自分の誤りを知らされた夫は、食ってかかった非礼を詫びて、夫婦そろってお釈迦様の弟子になりました。          

(心がスーッと晴れるほとけさまが伝えたかったこと 岡本一志)

このお話にもあるように、「こんなことをやっても何にもならない」と思うようなことでも、さまざまな縁によって育てられ、大きな結果になることがあります。

例えば、

毎朝鏡に向かって笑顔の練習をしてみたり、

いつもより少し早めに起きてゆっくりとティータイムを楽しんでみたり、

一言、「ありがとう」と感謝の気持ちを添えてみたり、

毎日たったの1分でもいいからyogaの呼吸法やアーサナの練習をしてみたり、

これらはごく些細なことのように思われますが、

人間の印象は3秒で決まると言われてたりしますから、3秒以内にパッと笑顔になれる練習をすることは、人に与える印象を変え、コミュニケーション能力がグン上げる第一歩となります。

「早起きは三文の徳」ということわざがあるように、少し早めに起きて、ゆっくりと美味しいお白湯を飲むだけでも、いつもと違う❝気づき❞が生まれることもあると思います。

たとえ家族間であっても、一言「ありがとう」と添えることでお互いに感謝の気持ちが芽生え、今あることは「有り難し」=いつまでも続く当たり前のことではないと気づき、家庭内での平和を保つことができるのではないでしょうか。

毎日たったの一分でもyogaの呼吸法やアーサナの練習をすることで、週一で1時間yogaをするよりも、ずっと良い効果を心や体にもたらすことが出来ます。

毎朝1分でも、1年365日続ければ、365分=約6時間も練習したことになります。

なので、私は毎朝1分でもヨガを日常のセルフケアに取り入れていただきたくてInstagramに簡単ヨガを載せています。(もし良かったら見てくださいね♡)

見上げるような巨木も、もとはゴマ粒ほどのタネから生まれたように、私たちのちょっとした行いから、想像もしていなかった素晴らしい花が開く可能性があるのです。

ほんの少しだけでも、日常生活の中で使わない筋肉を動かすことこそが、

怪我をしない❝しなやか❞な体を作る健康の小さなタネまきなのだと思います。

ぜひ、5年後10年後も輝いていけるご自分の未来のために、この小さなタネまき、健康のタネまきをコツコツと続けていきましょうね。

                      セルフケアヨガインストラクター Yuka

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