「全然体が柔らかくならないんですけど、どうしたらいいですか?」
「頑張ってるのに全然、瘦せないから嫌になってくる。」
「全然筋力がなくて思ったようにポーズがとれない。」
ヨガのアーサナ(ポーズ)だけでなく、一つ上手く出来ないことがあると、自分は何もかもダメなように感じてしまって、落ち込んでしまう経験をされた方は、少なくないのではないでしょうか?
0か100の思考は良く「あるある」の思考ですよね。
「全然出来ない」人なんていないし、初めてYogaをした時より、今のほうが随分と成長しているはずなのに自己評価が低すぎて、自分で自分自身を責めて落ち込みすぎてしまう。
たいていの方の場合、問題のある部分は、ごく一部で他の人よりも優れている部分が必ずあります。
~0か100の思考から離れて諦観する~
仏教(ブッタの教え)には、【諦観】(ていかん)という教えがあります。
これは「あきらかに観る」という意味で、「物事を正しく見なさい」ということです。
【自分が出来ているところと、出来ていないところを正しく見る。】
それができれば、自分はダメだと落ち込みすぎてしまうことはなくなります。
出来ないことにばかり目を向けないで、出来ているところにもちゃんと目を向けていきましょう。
例えば、新しいスカートが欲しいと思ってショッピングにいけば、スカートばかりに目が行きますよね?
ご自分のお鼻にコンプレックスがある方は他人のお鼻ばかりを見てしまったり、
最近太ってきちゃったな、、、と気にしだすと太っている人ばかりに目が行って「あの人より私のほうがマシだよね。」なんて人と比べて安心したくなったりするものです。
人それぞれ見ているところが全く違います。
だから、人に何か嫌なことを言われたとしたら、それは実はその人がとても気になっていることで、そのことを気にしていないあなたを羨ましいと感じたからついつい「意地悪」を言いたくなってしまっただけなんですね。
なので、全く気にする必要ないんですよ。
「あ~、この人は実は今、このことが気になって仕方がないんだね。」とサラッと受け流していけば、嫌な気持ちに引っ張られずにすみます。
そして、嫌なことを言う人にもいい所は必ずありますし、そこに目を向ければ「そこまで悪い人じゃないかな」と思えるようになるかもしれません。
自分自身に対しても同じことです。
体が硬いことや筋力がないことなどに、マイナスなイメージを持って悲しくなるのではなく、「ああ、私はここが硬いんだね。」「ああ、ここの筋力が弱いんだね。」とそのまま受け止めること。
よく「昔はもっと柔らかかったのよ。」「学生の頃は、部活で色んな筋トレ出来ていたのになぁ。」なんてなかなか今のご自分の身体の状態を受け入れるのに時間がかかってしまう方がいらっしゃいますが、昔と今、昨日の自分と今日の自分は違います。
その違いも悲観するのではなく、もっと前向きに楽しんで、今のご自身ををプラスにしていくためにはどうすればいいかを見極めていくことが、ご自身の成長に繋がっていきます。
~「分かる」とは「分ける」こと~
「全部ではなくて、一部を反省し改善するための努力をすればいいだけ」ということに気づくと、とてもラクになれますよね。
自分の出来ていることと、出来ていないこと。
改めるべきところと、そのままでいいところ。
それを「分ける」ことが出来て初めて、何がいけなかったのか、何を直せばいいのか、どこを鍛えて、どこを柔らかくすればいいのかが「分かる」ようになるのです。
例えば、前屈が苦手な人のほとんどは後屈が得意だったりします。
ということは、後屈が苦手な人にとっては羨ましいことなんですね。
そして、前屈が苦手な原因を見つけて克服していけば苦手が得意に変わっていくので、もっともっとアーサナの練習が楽しくなってきます。
~前屈が苦手な原因~
前屈で伸びる筋肉は、腿裏=ハムストリングスですが、ハムストリングスが硬い方だけが前屈が苦手なわけではありません。
①実は、日本人は欧米人に比べてハムストリングスが弱くて硬くなりやすいと言われています。昔からの地形や生活スタイルなどで骨格の違いが生まれたからだそうです。
②ウォーキングがランニングが趣味の硬い方も腿前の筋肉を使う傾向にあるため、ハムストリングスが硬くなりやすい場合もあります。
➂上半身を腰から曲げるような間違ったストレッチをしている。
④脊柱起立筋が硬くなってしまっている場合。デスクワークの方や、就寝時に寝返りをあまり打たない方など、長時間同じ姿勢でいることによって背中が硬くなってしまっている。
⑤骨盤後傾位、前捻角の角度によって過度に臀筋が硬くなってしまっている。
など他にも原因は様々で、骨の問題を解決するのはなかなか難しく病院へ行かれたほうがいい場合もありますが、『筋肉の問題はYogaを練習することでほとんどの場合解決する』ことが出来ると思います。
原因の硬くなって弱くなっている筋肉を見つけて、
【ほぐす】➡【鍛える】➡【伸ばす】の法則で、しなやかで丈夫な筋肉を作り、身体の左右差を出来るだけなくして、バランスのとれた美BODYを手に入れていきましょうね。
そして、
全部がダメな人なんてこの世に存在しません。
そのままでいいところが、ほとんどなのです。
改善すべきところと問題のないところがハッキリ分かれば、自分を責めて落ち込む必要はありません。そのままのご自分を受け入れて、ご自身に優しくなることができ、適切なセルフケアを行うことが出来るはずです。
これからも一緒に頑張っていきましょうね。
セルフケアヨガインストラクター